部活をする中高生は「成長」と「練習」のダブルワーク
思春期は、乳児期に次いで体がぐんと大きくなる時期です。身長が伸び、骨量が増え、筋肉がつき、女子は月経も始まります。そこに毎日2〜3時間の練習が重なるのが、部活をする中高生のリアルな毎日。大人のアスリートなら「競技のための食事」だけを考えればよいところを、ティーンは成長に必要な分を確保したうえで、練習で使う分を上乗せしなければなりません。
食べる量が消費に追いつかない状態が続くと、国際オリンピック委員会(IOC)が「スポーツにおける相対的エネルギー不足(RED-S)」と呼ぶ状態につながることがあります。疲れが抜けない、風邪をひきやすい、記録が伸びない、疲労骨折などの骨のけが、女子では月経が止まる・乱れるといったサインが知られていて、男女どちらにも起こりうるとされています(Mountjoy et al., 2023)。「最近よく食べるようになったし大丈夫」と思っていても、練習量が増えた時期は消費のほうが上回っていることもあるので、体重の変化や体調にも気を配りましょう。
とくに意識したい栄養素
| 栄養素 | 目安・考え方 | なぜ大切? | 身近な食材 |
|---|---|---|---|
| たんぱく質 | スポーツをする若い選手では体重1kgあたり1.2〜1.7g程度が目安とされる(Rodriguez et al., 2009) | 筋肉の修復と、成長期の体づくり | 鶏肉、魚、卵、納豆・豆腐、牛乳・ヨーグルト |
| 炭水化物 | 練習が軽い日は少なめ、長時間の練習日は多めと、練習量に合わせて調整する(Burke et al., 2011) | 練習と勉強、両方のエネルギー源 | ご飯、うどん、パン、もち、いも、果物 |
| カルシウム | 「日本人の食事摂取基準(2025年版)」では、中学生の年代は一生のうちで推奨量がもっとも多い時期 | 骨量を貯金できるのは10代が中心 | 牛乳、ヨーグルト、チーズ、小魚、厚揚げ、小松菜 |
| 鉄 | 成長で血液量が増え、汗や月経でも失われやすい | 全身に酸素を運ぶ。不足すると持久力が落ちやすい | 赤身肉、レバー、かつお・まぐろ、あさり、納豆、小松菜 |
| ビタミンD | 食事と日光の両方から | カルシウムの吸収を助け、骨づくりを支える | 鮭・さんま・いわしなどの魚、きのこ類、卵 |
たとえば体重60kgの高校生なら、1日のたんぱく質の目安は72〜102gほど。特別なものを足さなくても、3食に主菜をしっかりのせ、補食に牛乳やゆで卵、おにぎりの具を工夫すれば十分届く量です。年齢別の必要量の考え方は年齢別の子供のたんぱく質必要量でもまとめています。
日曜90分の仕込みで、平日がまわり出す
ミールプレップといっても、日曜日に1週間分のお弁当を全部作るわけではありません。ポイントは「組み合わせて使える部品」を用意しておくこと。部品さえ冷蔵庫と冷凍庫にあれば、朝の5分でも、帰宅直後の補食でも、さっと形になります。
日曜に仕込んでおきたい部品
- ご飯:多めに炊いて、温かいうちに1食分(150〜250g)ずつラップで包み冷凍。冷蔵だとかたくなりやすく、日持ちも短いので冷凍がおすすめです。冷凍おにぎりにしておけば、朝練前にレンジで温めるだけ。
- たんぱく質のおかず(2〜3品):鶏むね肉のしっとり蒸し、鶏ももの照り焼き、鮭の塩焼きのほぐし身、ゆで卵(殻つきで冷蔵し、2〜3日で食べきる)。
- 野菜:ブロッコリーやいんげんをゆでて小分けに。にんじん・きゅうりはスティックに。きんぴらやひじき煮など、日持ちする常備菜も1品あると心強いです。
- 補食セット:小袋のナッツ(素焼き)、干しいも、カットした果物、チーズ、飲むヨーグルト。袋や容器に「部活前用」「帰宅後用」とラベルを貼っておくと、本人が自分で選べます。
- たれ・調味料:照り焼きだれ、ごまだれなどをまとめて作っておくと、平日の味つけがワンパターンになりません。
90分の流れ(実際に手を動かすのは約50分)
- 炊飯器でご飯を炊く:スイッチを押すだけ(炊き上がりまで待ち時間)
- 鶏肉に下味をつけてオーブンかフライパンで焼く:準備5分+加熱20〜25分
- ゆで卵:準備2分+ゆで12分前後
- 野菜を切る・ゆでる:15分
- 常備菜1品:15分
- 炊けたご飯でおにぎりを作り、ラップして冷凍:10分
- 補食セットの小分け:5分
中学生・高校生なら、おにぎり作りや小分けは本人に任せてしまうのもひとつの手です。自分で用意したものは食べ忘れにくくなります。作り置きおやつのタイムテーブルは週末まとめ作り子どものおやつガイドも参考にしてください。
サッカー部の1週間
サッカーは、試合中ずっと走り続ける持久力と、ダッシュ・ジャンプ・接触プレーの瞬発力、そして疲れた状態での判断力がまとめて求められる競技です。食事では「エネルギー切れを起こさないこと」と「練習と練習の間にしっかり回復すること」が軸になります。
サッカー部で意識したいこと
- 試合前日〜当日は炭水化物を意識して:前日の夕食と当日の朝食は、ご飯やうどんなど主食をいつもよりしっかりめに。
- 汗で失う塩分:夏場の練習では汗とともに塩分も失われるので、水だけでなく塩分と糖分を含む飲み物も用意を。
- 回復を支える食材:接触の多い競技なので、魚(青魚)や色の濃い野菜・果物を日々の食事にまんべんなく。
- 鉄にも注意:硬いグラウンドで足を強く着地させ続けると、足裏で赤血球が壊れる「フットストライク溶血」が起こることがあり、鉄の不足につながりやすいといわれます。
サッカー部の献立例
| タイミング | 練習日 | 試合日 | オフの日 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | 冷凍おにぎり2個+ゆで卵+みそ汁 | ご飯+卵焼き+みそ汁+バナナ | トースト+ヨーグルト+果物 |
| 練習前の補食 | おにぎり+オレンジ | カステラかバナナ(試合の2時間前まで) | —(いつもの3食でOK) |
| 練習後 | 牛乳かココア+鮭おにぎり | 飲むヨーグルト+おにぎり | — |
| 夕食 | 鶏の照り焼き丼+具だくさんみそ汁+ブロッコリー | 鮭のホイル焼き+さつまいもご飯+野菜スープ | 豆腐と豚肉の炒め物+ご飯+サラダ |
| 寝る前(お腹がすいたら) | ヨーグルト+キウイ | 小さなおにぎりかバナナ | チーズ+果物 |
試合会場のベンチ裏で、おにぎりが定番になっているのには理由があります。ご飯は消化がよく、持ち運びやすく、具でたんぱく質や塩分も足せる、補食としてとても使いやすい主食です。握り方や具のバリエーションは子どものおにぎり完全ガイドでたっぷり紹介しています。
水泳部の1週間
水泳は全身の筋肉を使い、さらに水中で体温を保つためにもエネルギーを消費する、10代にとって特に「お腹がすく」競技のひとつです。練習量の多いチームでは、朝練と放課後練習の二部練習が珍しくありません。食べる量が足りないと、練習の質そのものが保てなくなります。
水泳部で意識したいこと
- 1回の食事を「濃く」:学校と二部練習の間で食べる時間が限られるので、量だけでなく、主食・主菜・副菜・乳製品・果物がそろった中身の濃い食事を。
- 朝練前に何かひと口:早朝練習の前に何も食べないと、途中でエネルギー切れを起こしやすくなります。バナナ1本でも、何か入れてから家を出ましょう。
- 関節と骨を支える食事:肩を繰り返し使う競技なので、魚や乳製品、きのこなどで、たんぱく質・カルシウム・ビタミンDを日々しっかり。
- 水の中でも汗はかく:水中では汗に気づきにくいだけで、水分は失われています(水分補給の項目で後述)。
水泳部の献立例
| タイミング | 二部練習の日 | 一部練習の日 | 大会の日 |
|---|---|---|---|
| 朝練前(5時半ごろ) | バナナ+牛乳少し | — | おにぎりかパン+はちみつ(最初のレースの3時間前まで) |
| 朝練後 | 大きめおにぎり+ゆで卵+飲むヨーグルト | ご飯+納豆+卵焼き+みそ汁+果物 | 種目の合間に:小さなおにぎり、カステラ、果物 |
| 昼食 | お弁当(鶏の照り焼き・卵焼き・ブロッコリー・ご飯多め) | お弁当+果物 | 食べ慣れた、消化のよいもの |
| 午後練習前 | おにぎりかバナナ | ヨーグルト+グラノーラ | — |
| 午後練習後 | すぐに牛乳かココア、1時間以内に夕食 | 補食+夕食 | 好きなものでがんばりをねぎらう |
| 夕食 | 鍋(後述)+ご飯 | ミートソーススパゲッティ+サラダ+スープ | 本人のリクエストメニュー |
練習量の多い日は「鍋」が強い味方
鶏もも肉や豚の薄切り、鮭やたらなどのたんぱく質、白菜・きのこ・にんじん・ねぎなどの野菜、豆腐、そしてしめのうどんや雑炊。ひとつの鍋で主食・主菜・副菜がそろい、温かいスープで消化もよく、遅い時間の夕食でも胃にもたれにくいのが鍋のいいところです。具材を切ってトレーに並べておけば、帰宅後は火にかけるだけ。週に1〜2回、練習のきつい日の定番にしておくと献立に悩みません。
陸上部の1週間
陸上競技は種目によって必要な食事がかなり違います。短距離と長距離では、エネルギーの使い方も、不足しやすい栄養素も変わります。ここでは中高生に多い短距離・中距離・長距離の3つに分けて考えます。
種目別のポイント
| 種目 | 主なエネルギー | 意識したい栄養素 | 不足しやすいもの |
|---|---|---|---|
| 短距離(100〜400m) | 瞬発的なエネルギー+筋肉に蓄えた糖質 | たんぱく質、炭水化物、ビタミンB群 | 鉄 |
| 中距離(800〜1500m) | 筋肉の糖質+有酸素の代謝 | 炭水化物、鉄、ビタミンB群 | 鉄(とくに女子)、カルシウム |
| 長距離(3000m以上・駅伝) | 筋肉の糖質+脂肪 | 炭水化物、鉄、カルシウム、ビタミンD | 鉄、カルシウム、全体のエネルギー量 |
長距離の選手は、練習量の割に食べる量が足りていないことが少なくありません。「体が軽いほうが速く走れる」という思い込みから食事を減らしてしまうと、先ほどのRED-Sや疲労骨折につながることがあります。体重の数字より、練習の質と体調を見るようにしましょう。貧血のサインは子供の鉄分不足サインも参考になります。
陸上部(中・長距離)の献立例
| タイミング | ポイント練習の日 | ジョグの日 | 記録会の日 |
|---|---|---|---|
| 朝食 | ご飯+納豆+卵+みそ汁+果物 | トースト+卵+牛乳+果物 | 食べ慣れた朝食をレースの3〜4時間前に |
| 練習前 | おにぎり+バナナ(練習の90分前) | 軽めに:りんご+チーズ | レースの1〜2時間前に、小さな炭水化物の補食 |
| 練習後 | スムージー(後述)かおにぎり+牛乳 | ココア+小袋のナッツ | 30分以内に補食、その後しっかり食事 |
| 夕食 | ご飯多め+焼き魚+青菜のおひたし+みそ汁 | 鶏肉と野菜の炒め物+うどん | ご飯+肉か魚+彩りのよい野菜 |
| 寝る前(お腹がすいたら) | ヨーグルト+はちみつ+きな粉 | 小さなおにぎり | 果物+チーズ |
ご飯、焼き魚、みそ汁、青菜、漬物という昔ながらの和定食は、消化のよい炭水化物、たんぱく質、塩分、ミネラルが一度にとれる、陸上部の夕食にぴったりの組み合わせです。
「いつ食べるか」で練習の質が変わる
部活をする子にとって、何を食べるかと同じくらい大事なのがいつ食べるか。押さえておきたいタイミングは3つです。
① 練習前(1〜3時間前)
目的は、エネルギーを満タンにしておくこと。練習が近いほど、少なく・消化のよいものにします。
- 3時間前:しっかりした食事(お弁当、丼もの、うどん)
- 1〜2時間前:おにぎり、バナナ、カステラ、あんぱんなど
- 30分前:ゼリー飲料、バナナ半分、スポーツドリンクなど軽いもの
授業が終わってすぐ練習、というスケジュールなら、4時間目のあとのお弁当と、放課後すぐのおにぎり1個で「2回に分けて食べる」のが現実的です。
② 練習中(60分を超えるとき)
長い練習や試合では、途中で糖質を補うとパフォーマンスを保ちやすいことが知られています(Burke et al., 2011)。スポーツドリンク、バナナ、小さなおにぎり、ひと口サイズのカステラなどが使いやすいです。
③ 練習後(30〜60分以内)
練習後は、使った糖質を補い、筋肉の修復に必要なたんぱく質をとるタイミング。炭水化物とたんぱく質を一緒にとるのがポイントです。
- 牛乳かココア+おにぎり
- 鮭やツナのおにぎり(持ち歩ける回復食の代表)
- 飲むヨーグルト+バナナ
- 肉まん、あんまん(コンビニで買うなら)
帰宅して夕食までに時間があるなら、このタイミングで補食をとっておくと、夕食まで「お腹がすきすぎてドカ食い」になりにくくなります。補食のタイミングは部活動と栄養補給 — 運動する子供のおやつ戦略ガイドでもくわしく紹介しています。
競技別の水分補給
体重の2%ほどの水分が失われると、パフォーマンスが落ちやすくなるとされています(Thomas et al., 2016)。日本の夏は気温も湿度も高く、部活中の熱中症は毎年のように話題になります。のどが渇く前に、こまめに飲むことが基本です。暑い日の練習では、日本スポーツ協会の熱中症予防の指針もあわせて確認しておきましょう。
競技ごとの注意点
| 競技 | 水分補給の難しさ | 工夫 |
|---|---|---|
| サッカー | 試合中は飲めるタイミングが限られ、屋外の暑さも厳しい | 試合前にしっかり飲み、給水タイムやハーフタイムに必ず飲む。暑い日は塩分と糖分を含むドリンクを。 |
| 水泳 | 水中では汗をかいていることに気づきにくい | プールサイドにボトルを置き、15〜20分おきに数口ずつ。屋内プールも室温・湿度が高いので油断しない。 |
| 陸上 | 種目によって違う。長距離は練習中も補給が必要 | 長距離は長い練習中にこまめに補給。短距離は練習前にしっかり飲み、レースの合間に少しずつ。 |
手軽な目安は尿の色。薄い黄色ならOK、濃い黄色や茶色っぽいときは水分不足のサインです。練習前後に体重をはかって、減った分を目安に飲み物で補うのもよい方法です。飲み物の選び方は子どもの水分補給ドリンクの選び方も参考にしてください。
本人が作れる、部活のための作り置きレシピ
パワーおにぎり(6個分)
部活の補食の大定番。中学生なら自分で作れるようになると、一生使えるスキルになります。
- 温かいご飯 600g(1個100gが目安)
- 具:ツナマヨ、焼き鮭のほぐし身、梅干し、おかか、しらす+ごま など
- 塩 少々
- 焼きのり(お好みで)
作り方:手を水でぬらして塩をつけ、ご飯をのせて真ん中をくぼませ、具を入れて包むように三角に握ります。1個ずつラップで包み、その日に食べない分は冷凍庫へ。食べるときは電子レンジで温めます。夏場はとくに、常温で長時間持ち歩かないよう保冷剤を添えましょう。
朝練の日のオーバーナイトオーツ(3食分)
- 1瓶あたり:オートミール30g、牛乳100ml、プレーンヨーグルト50g、チアシード小さじ1、はちみつ小さじ1
- 朝のトッピング:バナナ、きな粉、季節の果物
前の晩に瓶に入れて混ぜ、冷蔵庫へ。朝5時半でも、ふたを開けてスプーンを入れるだけで食べられます。アレンジはオーバーナイトオーツ10種レシピへ。
練習後のリカバリースムージー
牛乳200ml、冷凍バナナ1本、冷凍ベリー50g、きな粉大さじ1、小松菜ひとつかみ、はちみつ少々をミキサーにかけるだけ。炭水化物とたんぱく質、カリウムが一度にとれます。日曜日に、牛乳以外の材料を1回分ずつ保存袋に入れて冷凍しておけば、平日は袋の中身と牛乳をミキサーに入れるだけです。
よくある質問
部活をしている中高生は、1日にどれくらい食べればいいですか?
必要な量は、競技の種類や練習量、性別、成長の段階によって大きく変わるため、一律の数字では言えません。厚生労働省の「日本人の食事摂取基準(2025年版)」でも、エネルギーの必要量は年齢や体の活動量によって幅をもたせて示されています。毎日の目安にしたいのは、疲れが翌日に残っていないか、体重が減り続けていないか、練習についていけているか、といった体のサインです。疲れが抜けない、風邪をひきやすい、記録が落ちてきた、女子で月経が止まった・乱れたといった様子があれば食べる量が足りていない可能性があり、とくに月経の変化は早めに小児科や婦人科に相談してください。
プロテインパウダーは飲ませたほうがいいですか?
多くの中高生は、ふだんの食事と補食でたんぱく質を十分とることができます。スポーツをする若い選手の目安は体重1kgあたり1.2〜1.7g程度とされ、体重60kgなら1日72〜102gほど。3食の主菜に、牛乳やヨーグルト、ゆで卵、具入りのおにぎりなどの補食を足せば届く量です。忙しいときにプロテインをスムージーに混ぜるのは選択肢のひとつですが、クレアチンやカフェインなどが加えられた製品は避け、使う場合は成分のシンプルなものを。まずは食事から、が基本の考え方です。
大事な試合の前日は、何を食べればいいですか?
前日の夕食は、食べ慣れていて消化のよい、主食多めのメニューにしましょう。新しい食べ物を試すのは試合が終わってから。ご飯に焼き魚とみそ汁、鶏肉入りのうどん、トマトソースのスパゲッティなどがおすすめです。揚げ物など脂っこいもの、ごぼうやきのこなど食物繊維がとても多いもの、辛いもの、生ものは、お腹の調子をくずしやすいので控えめに。いつもと同じ時間に食べて、夜もこまめに水分をとっておきましょう。
部活中の水分補給は、どのくらい気をつければいいですか?
とても大切です。体重の2%ほどの水分が失われるとパフォーマンスが落ちやすくなるとされ、日本の夏の練習では熱中症にも注意が必要です。のどが渇く前に、15〜20分おきを目安にこまめに飲みましょう。1時間を超える練習や暑い日は、水だけでなく塩分と糖分を含む飲み物も用意を。練習前後に体重をはかり、減った分を目安に補うのもよい方法です。尿の色が濃い黄色のときは水分不足のサインです。
作り置きをすると、本当に部活のパフォーマンスにつながりますか?
作り置きそのものに特別な力があるわけではありませんが、「練習前と練習後に、食べるべきものが手元にある」状態をつくれることが大きな違いになります。準備がないと、空腹のまま練習に出たり、帰り道に菓子パンやスナック菓子だけで済ませたりしがちです。冷凍おにぎりやゆで卵、小分けの補食があれば、忙しい日でも練習前後の大事なタイミングを逃しにくくなります。食事を練習計画の一部として考える習慣は、10代のうちに身につけておくと一生役立ちます。
参考文献
- Mountjoy, M. et al. (2023). "2023 International Olympic Committee's (IOC) consensus statement on Relative Energy Deficiency in Sport (REDs)." British Journal of Sports Medicine, 57(17), 1073-1098.
- Thomas, D.T. et al. (2016). "Position of the Academy of Nutrition and Dietetics, Dietitians of Canada, and the American College of Sports Medicine: Nutrition and Athletic Performance." Journal of the Academy of Nutrition and Dietetics, 116(3), 501-528.
- Desbrow, B. et al. (2014). "Sports Dietitians Australia position statement: sports nutrition for the adolescent athlete." International Journal of Sport Nutrition and Exercise Metabolism, 24(5), 570-584.
- Rodriguez NR, et al. (2009). "American Dietetic Association position: nutrition and athletic performance." Journal of the American Dietetic Association, 109(3), 509–527. doi:10.1016/j.jada.2009.01.005
- Burke LM, et al. (2011). "Carbohydrates for training and competition." Journal of Sports Sciences, 29(Suppl 1), S17–27. doi:10.1080/02640414.2011.585473
- Purcell LK. (2013). "Sport nutrition for young athletes." Paediatrics & Child Health, 18(4), 200–202. doi:10.1093/pch/18.4.200
- 厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2025年版)」
- 文部科学省「日本食品標準成分表(八訂)増補2023年」
タイプ別アドバイス
練習表が出たら、冷蔵庫に貼って「二部練の日」「試合の日」に印をつけましょう。その日に合わせて冷凍おにぎりを1個多く用意する、前日の夕食をご飯多めにする、と逆算しておくだけで、当日の朝に慌てずにすみます。練習後の補食は、部室のロッカーに置いておける小袋ナッツや干しいもが便利です。
日曜の仕込みを「自分だけのおにぎりメニュー開発」の時間にしてみては。鮭×大葉、ツナ×コーン、しらす×ごまなど、具の組み合わせを考えて名前をつけ、チームメイトに好評だったものをランキングに。冷凍庫の保存袋に手描きのラベルを貼るだけでも、朝に選ぶのが楽しくなります。
毎週90分の仕込みが続かなくても大丈夫。ご飯を冷凍しておく、ゆで卵を作っておく、この2つだけでも平日はかなりラクになります。疲れて帰ってきた日は、鍋に具材を入れて煮るだけの夕食で十分。親も子も「だいたいできている」くらいが、長く続けるコツです。