季節イベント

冬至のほっこりおやつ — 柚子湯とあったかスイーツの楽しみ方

一年でいちばん昼が短く、夜が長い日——冬至。ゆず湯に入って、かぼちゃを食べて、「ん」のつく食べ物で運を呼びこむ。昔ながらの習わしには、子どもと一緒に楽しめる小さなイベントがたくさん詰まっています。寒さが本格的になる12月下旬、体の内側からほっとあたたまるおやつを、冬至の食文化といっしょに紹介します。

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冬至ってどんな日?

冬至は二十四節気のひとつで、毎年12月21日か22日ごろにやってきます。北半球では太陽の高さがいちばん低くなり、昼の長さが一年でもっとも短くなる日です。昔の人はこの日を「太陽の力がいちばん弱まる日」と考える一方で、「ここから再び日が長くなっていく」始まりの日として大切にしてきました。悪いことが続いたあとに運が上向くことを意味する「一陽来復(いちようらいふく)」という言葉は、冬至の別名でもあります。

冬至の過ごし方として、日本ではおもに3つの習わしが伝わっています。

  • ゆず湯:ゆずを浮かべたお風呂に入る習わし。「冬至(とうじ)」と「湯治(とうじ)」、「ゆず」と「融通(ゆうずう)がきく」をかけた語呂合わせともいわれます。強い香りで邪気をはらうという意味もありました。
  • かぼちゃ:かぼちゃは「南瓜(なんきん)」とも書きます。夏に収穫して長く保存できるかぼちゃは、野菜の少ない冬に栄養をとるための知恵でもありました。
  • 「ん」のつく食べ物:「ん」は「運」に通じることから、冬至に「ん」のつくものを食べると運が呼びこめるという「運盛り」の言い伝えがあります。とくに「ん」が2つ入る、なんきん・れんこん・にんじん・ぎんなん・きんかん・かんてん・うんどん(うどん)は「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれます。

地域によっては、小豆を入れた「冬至がゆ」や、かぼちゃと小豆を煮た「いとこ煮」を食べる習慣もあります。どの習わしも、子どもにとっては「どうして?」の入り口。おやつ作りといっしょに由来を話してあげると、季節の行事がぐっと身近になります。

冬にあたたかいおやつがうれしい理由

日が短くなると、なんとなく元気が出ない、朝起きるのがつらい——大人でも子どもでも、そんな変化を感じることがあります。日照時間の短い季節に気分や活力が落ちこむ人がいることは古くから知られており、季節と結びついた気分の変化として医学的にも報告されています(Rosenthal et al., 1984)。冬になると甘いものやごはん・パンなどの炭水化物が欲しくなりやすいことについても、脳内の神経伝達物質セロトニンとの関係を論じた仮説があります(Wurtman & Wurtman, 1995)。気分の落ちこみが長く続くときは、早めにかかりつけ医に相談してください。

「冬は甘いものが欲しくなる」のは、ある意味で自然なこと。だからこそ、禁止するのではなく選び方と工夫で応えるのがSmart Treats流です。かぼちゃやさつまいも、みかんのような素材の甘さを主役にして、しょうがやゆずの香りで満足感を足せば、砂糖は控えめでも「おいしい!」がちゃんと届きます。

しょうがについては、成人男性を対象に、しょうが入りの温かい飲み物をとったあとで食事による熱の産生がわずかに増え、満腹感も高まったという研究があります(Mansour et al., 2012)。子どもを対象にした研究ではないので「体を温める効果がある」とまでは言えませんが、ぴりっとした香りと湯気のある一杯は、それだけで冬の楽しみになります。そのほかの冬向けのおやつは冬のあったかおやつでも紹介しています。

1. かぼちゃのみそポタージュ

冬至のかぼちゃを、小さなカップで飲めるポタージュに。温かい飲み物でもあり、おなかにたまる補食にもなります。みそを少し加えると、かぼちゃの甘さが引き立ち、和風のやさしい味わいになります。

材料(小さめのカップで6〜8人分)

材料分量
かぼちゃ(皮と種を除いて角切り)500g
玉ねぎ(薄切り)1/2個
水400ml
牛乳(または無調整豆乳)200ml
白みそ大さじ1
おろししょうが少々(小さな子の分は省いてもOK)
米油などの植物油大さじ1
かぼちゃの種(ロースト済み、トッピング用)お好みで(5歳以下には使わない)

作り方:鍋に油を熱し、玉ねぎをしんなりするまで炒めます。かぼちゃと水を加え、ふたをして弱めの中火で15〜20分、かぼちゃがやわらかくなるまで煮ます。火を止めてブレンダーでなめらかにし、牛乳としょうがを加えて弱火で温めます。最後に火を止めてから白みそを溶き入れると、みその香りが生きます。

かぼちゃは緑黄色野菜の代表で、β-カロテンを多く含みます(日本食品標準成分表)。β-カロテンは体内で必要に応じてビタミンAに変わり、皮膚や粘膜の健康維持を助けます。かぼちゃのほかの使い方は子ども向けかぼちゃレシピ完全ガイドに、スナック仕立てのアレンジはかぼちゃポタージュスナックにまとめています。

※ かぼちゃの種などの硬い種実類は、のどに詰まらせたり気管に入ったりするおそれがあるため、5歳以下の子どもには与えないでください。

2. かぼちゃ白玉の小豆のせ(いとこ煮風)

かぼちゃを練りこんだオレンジ色の白玉に、小豆を添えて。冬至に食べる「いとこ煮」のかぼちゃと小豆の組み合わせを、子どもが丸めて作れるおやつにアレンジしました。

  • 白玉粉 —— 100g
  • かぼちゃ(蒸すかレンジで加熱して皮を除き、つぶしたもの) —— 100g
  • 水 —— 大さじ1〜3(かぼちゃの水分を見ながら調整)
  • ゆで小豆(甘さ控えめのもの) —— 大さじ4〜6
  • きなこ —— お好みで

作り方:白玉粉とかぼちゃを混ぜ、耳たぶくらいのやわらかさになるまで少しずつ水を加えてこねます。小さく丸めて真ん中を指で軽くへこませ、たっぷりの湯でゆでます。浮き上がってからさらに1〜2分ゆでたら冷水にとり、水気を切って小豆を添えます。丸める工程は3歳ごろからでも一緒に楽しめます。ゆでる・湯から引き上げるのは大人の担当です。

小さな子にあげるときは:白玉だんごは、もちと同じようにのどに詰まりやすい食品です。幼児には直径1.5cmほどの小さく平たい形にして、さらに半分や4等分に切ってあげましょう。座って食べる、口に詰めこまない、食べている間は大人がそばで見守る——この3つを忘れずに。形とサイズの考え方は幼児の窒息予防ガイドでくわしく紹介しています。

3. ゆずの香りのさっくりクッキー

ゆずは、レモンよりもまろやかで、ほのかな苦みと華やかな香りをもつ日本の柑橘です。冬至の日、ゆず湯に使う前にひとつだけ取り分けて、皮と果汁をクッキーに。焼いている間からキッチンがゆずの香りに包まれます。

材料(約24枚分)

  • 薄力粉 —— 200g
  • 無塩バター(冷やして角切り) —— 130g
  • アルロース(粉末)または粉砂糖 —— 50g
  • ゆず果汁 —— 大さじ1
  • ゆずの皮(白いわたを除いてすりおろす) —— 大さじ1
  • 塩 —— ひとつまみ

作り方:薄力粉・アルロース・塩をボウルに合わせ、冷たいバターを加えて指先ですり合わせ、さらさらの状態にします。ゆず果汁と皮を加えてひとまとめにし、6mmほどの厚さにのばしてラップで包み、冷蔵庫で30分休ませます。丸型や三日月型で抜き、160℃に予熱したオーブンで12〜14分焼いて、天板の上で完全に冷まします。型抜きは子どもの得意分野。「一年でいちばん夜が長い日だから、お月さまの形にしよう」など、テーマを決めると盛り上がります。

ゆずの果皮にはビタミンCが多く含まれています(日本食品標準成分表)。また、少人数の成人を対象に、ゆずの香りをかいだあとで緊張や不安などの気分の指標が改善したという研究も報告されています(Matsumoto et al., 2014)。ゆず湯に入ると気持ちがほどけるように感じるのも、香りの力が一役買っているのかもしれません。ほかのゆずのおやつは柚子シャーベットもどうぞ。

4. 「ん」のつく運盛りおやつ

冬至の七種をおやつに取り入れるなら、子どもが扱いやすいのは「かんてん」「にんじん」「れんこん」。「みかん」にも「ん」が入っているので、組み合わせれば「ん」がたくさんの運盛りおやつになります。

みかん寒天(「ん」が3つ)

鍋に水200mlと粉寒天2gを入れて混ぜ、火にかけて沸騰したら弱火で1〜2分煮て寒天をしっかり溶かします。火を止めて果汁100%のみかんジュース200mlを加え、粗熱がとれたら薄皮をむいたみかんを入れた型に流します。寒天は常温でも固まるので、冷蔵庫で冷やせば1時間ほどで食べられます。ゼラチンとの違いはゼラチンvs寒天で紹介しています。

れんこんチップス(「ん」が2つ)

れんこんを1〜2mmの薄切りにして水にさらし、水気をよくふき取ります。米油を薄くからめてオーブンシートに並べ、150℃のオーブンで20〜30分、様子を見ながらカリッとするまで焼き、塩をひとつまみ。れんこんの穴から向こうをのぞいて「先が見通せる」縁起物だと話すと、子どもは必ずのぞきこみます。カリカリした食感は奥歯でしっかり噛める年齢向けなので、小さな子には薄く小さく割ってあげましょう。

にんじんとしょうがのホットドリンク(「ん」が2つ)

すりおろしたにんじん大さじ2とりんごジュース(果汁100%)150ml、水50ml、おろししょうが少々を小鍋で温め、茶こしでこします。にんじんの甘さとりんごの酸味で、砂糖を加えなくてもまろやかな味わい。しょうがは子どもには少量から、苦手なら入れなくてもかまいません。甘みを足すときのはちみつは、1歳未満の赤ちゃんには与えないでください。

ぎんなんは子どもに注意:冬至の七種のひとつ「ぎんなん」は、食べすぎると中毒を起こすことがあり、子どもはとくに起こしやすいとされています。幼児には食べさせず、小学生でもごく少量にとどめましょう。かたい木の実でもあるため、のどに詰まらせる心配もあります。

冬至の夜を家族で楽しむ

冬至は、特別な準備がなくても家族で楽しめる行事です。たとえば、こんな一日の流れはいかがでしょう。

昼間:「ん」のつく食べ物探しゲーム。冷蔵庫や買い物先で、だいこん、いんげん、ぎんなん、パン(「パン」にも「ん」!)など、いくつ見つけられるか競争します。家族で数をノートに書いておくと、毎年の恒例行事になります。

夕方:かぼちゃのおやつを一緒に作る時間。白玉を丸める、クッキーを型で抜く、寒天をカップに流すなど、年齢に合った作業を分担しましょう。冬の夜は動画やゲームの時間が延びがちですが、乳幼児期のテレビ視聴時間の長さと、その後の注意の問題との関連を報告した研究もあります(Christakis et al., 2004)。台所での作業は、スクリーンから少し離れて家族で過ごすきっかけにもなります。

夜:ゆず湯でゆっくりあたたまります。ゆずの皮に含まれる成分で肌がぴりぴりすることがあるので、小さな子や肌が敏感な子の場合は、切らずに丸ごと浮かべる、ネットに入れる、長湯をしないなどの工夫を。お風呂あがりには、「この日から少しずつ昼が長くなるんだよ」と一陽来復の話をして、来年やってみたいことをひとつずつ紙に書いてみましょう。

ちなみに、冬至は「昼がいちばん短い日」ですが、日の入りがいちばん早いのは12月上旬で、冬至のころにはすでに少しずつ遅くなり始めています。「どうしてだろう?」と親子で調べてみるのも、冬至ならではの自由研究のタネです。

あたたかい食べ物で心までほっとするわけ

寒い日に温かいカップを両手で包むと、それだけで気持ちがゆるむ——そんな感覚には、心理学の研究もあります。温かい飲み物のカップを手に持った人は、冷たいカップを持った人に比べて、相手の人柄を「温かい」と評価しやすかったという報告です(Williams & Bargh, 2008)。その後の追試では同じ結果が得られなかった研究もあり、効果の大きさは慎重に受け止める必要がありますが、「体の温かさ」と「心の温かさ」を結びつける言い回しが多くの言語にあるのは興味深いところです。

日本語にも「ぬくもり」という言葉があります。体だけでなく、心まであたためてくれるもの。一年でいちばん長い夜に、家族で囲む湯気の立つかぼちゃのポタージュや、手で丸めた白玉は、砂糖の量では測れないおいしさを運んでくれます。季節の行事とおやつの組み合わせは、ホリデーの低糖質ベーキングガイドや低糖質モダン和菓子ガイドでも紹介しています。

よくある質問

冬至にかぼちゃを食べるのはなぜですか?

かぼちゃは漢字で「南瓜(なんきん)」とも書き、「ん」が2つつく縁起のよい食べ物とされてきました。冬至の日に「ん」のつくものを食べると運が呼びこめるという「運盛り」の言い伝えがあるほか、夏に収穫して保存がきくかぼちゃは、野菜の少ない冬に栄養をとる知恵でもありました。かぼちゃは緑黄色野菜の代表で、β-カロテンを多く含みます。

ゆず湯は子どもや赤ちゃんも入って大丈夫ですか?

多くの家庭で親子で楽しまれていますが、ゆずの皮に含まれる成分で肌がぴりぴりすることがあります。小さな子や肌が敏感な子の場合は、切らずに丸ごと浮かべる、ネットに入れて果汁が出すぎないようにする、長湯をさせない、といった工夫をしましょう。赤みやかゆみが出たら、すぐにシャワーで洗い流してください。肌のトラブルが続くときは小児科や皮膚科に相談すると安心です。

「ん」のつく食べ物にはどんなものがありますか?

「冬至の七種(ななくさ)」と呼ばれる、なんきん(かぼちゃ)・れんこん・にんじん・ぎんなん・きんかん・かんてん・うんどん(うどん)がよく知られています。みかん、だいこん、いんげんなど、身近な食材にも「ん」はたくさん隠れています。ただし、ぎんなんは子どもが中毒を起こしやすい食材なので、幼児には食べさせず、小学生でもごく少量にとどめましょう。

小さな子にかぼちゃ白玉をあげるときの注意点は?

白玉だんごは、もちと同じようにのどに詰まりやすい食品です。幼児には直径1.5cmほどの小さめで平たい形に丸め、さらに半分や4等分に切ってあげると安心です。座って落ち着いて食べる、口に詰めこまない、食べている間は大人がそばで見守る、の3つを守りましょう。

甘さ控えめでも子どもが満足するコツはありますか?

かぼちゃやさつまいも、みかんなど、素材そのものの甘さを主役にするのがいちばんの近道です。シナモンやしょうが、ゆずの皮のような香りを足すと、砂糖が少なくても満足感が出やすくなります。あたたかいうちに出すと香りが立ち、少量でもおいしく感じられます。甘みを足したいときは、砂糖の一部をアルロースなどに置き換える方法もあります。

冬至の日を子どもと楽しむアイデアは?

昼間に家族で「ん」のつく食べ物探しゲームをして、夕方はかぼちゃのおやつを一緒に作り、夜はゆず湯に入る——という流れがおすすめです。この日を境に昼が少しずつ長くなることから、冬至は「一陽来復」と呼ばれ、よいことが巡ってくる日ともいわれます。「来年やってみたいこと」をひとつずつ紙に書いて、ゆず湯のあとに見せ合うのも楽しい過ごし方です。

参考文献

タイプ別アドバイス

🏃 アクティブ派

冬至の日は外が暗くなるのが早いので、外遊びは明るいうちに切り上げて。帰ってきたら、かぼちゃのみそポタージュとかぼちゃ白玉で補食を。「ん」のつく食べ物探しは、スーパーの売り場を回る時間制限つきの宝探しにすると盛り上がります。

🎨 クリエイティブ派

ゆずクッキーは三日月や星の型で「冬の夜空」をテーマに。みかん寒天は透明なカップに流して、みかんの並べ方で模様を作ってみましょう。「ん」のつく食べ物を絵にした「冬至の七種カード」を作れば、毎年使える行事の飾りになります。

😌 リラックス派

全部やろうとしなくて大丈夫。冬至の夜は、市販のかぼちゃを使った一品とゆず湯だけでも十分に行事になります。湯気の立つにんじんとしょうがのドリンクを用意して、お風呂あがりに「一陽来復」の話をゆっくり。静かに過ごす冬至も素敵です。

この記事は2026年4月時点の情報に基づいています。個別の食事アドバイスについてはかかりつけの小児科医にご相談ください。

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