📰 PRESS RELEASE / 発表日: 2026年4月30日
発信者: Smart Treats 編集部(https://smart-treats.jp
送付先: こそだてハック・Tomonite・ベネッセ等の子育てメディア各社

「アルロースは子どもに使って大丈夫?」
──公的機関の評価を横断整理した安全性レビューを公開

リード文

子どものおやつに「アルロース」入り製品が増えるなか、「体によさそう」と手に取る保護者がいる一方、「本当に子どもに安全なの?」と調べるほど情報が錯綜してわかりにくいという声が増えている。

子育てメディア向け食育情報サービスの Smart Treats(https://smart-treats.jp)は2026年4月30日、米国FDA・欧州EFSA・消費者庁の見解と査読論文を横断した「アルロース安全性レビュー2026」を公開した。特定製品の推奨ではなく、保護者が判断しやすい論点の整理を目的とした送付原稿として、こそだてハック・Tomonite・ベネッセ等の子育てメディア各社へ提供する。


本文

背景:「安心」と「不安」が混在する情報環境

市場に流通する菓子・飲料・焼き菓子にアルロース(D-アルロース、別名D-プシコース)が使われる機会が増加している。「血糖値への影響が通常の砂糖より少ない」「表示上のカロリーがゼロに近い」という特性が紹介される一方で、「子どもへの長期影響が未知数」「EUでは認可されていない」という指摘も報道される。

どちらの情報も一部根拠があるが、制度・摂取量・対象年齢によって読み方が変わる。本レビューはその情報格差を埋めることを目的として作成された。

主な調査対象と方針

今回の整理は、規制当局・公的研究機関・国際機関の公開資料を一次情報とし、査読付き論文を補助的に参照した。企業発表・非査読ブログ・二次まとめ記事は参照しておらず、各論点の根拠となる出典を本文末に全件付記している。


調査レビュー要点

1. 米国FDA:GRAS認定と表示ガイダンス

FDAはアルロース(D-プシコース)に対して2012年以降、段階的にGRAS(Generally Recognized As Safe)のno-questionレターを発行した(2012年6月、2014年6月、2017年8月、2020年3月)。2020年10月には栄養成分表示ガイダンスを改定し、アルロースのエネルギー換算係数を 0.4 kcal/g として表示可能と定めた。これは同成分が吸収後ほぼ腎排泄され、実質的なエネルギー供給が低いというデータを踏まえたものである。〔出典①②〕

2. 欧州EFSA:2025年の新食品評価

欧州食品安全機関(EFSA)は2025年5月6日採択・6月5日公開の科学的意見書において、EU新食品規則(Regulation 2015/2283)に基づくD-alluloseの申請を審査した結果、現時点で提出データは安全性を確立するには不十分と結論づけた。これは「否定」ではなく「追加データが必要」という状態であり、EFSAによる審査が継続中であることを示す。〔出典③〕

3. 日本:食品表示基準でのエネルギー換算

消費者庁の食品表示基準では、アルロースのエネルギー換算係数を 0 kcal/g と定め、栄養成分表示でカロリーに算入しない扱いが認められている。〔出典④〕

4. 成人向け摂取耐容性データ

Han et al.(2018年・査読あり)の成人耐容性試験では、単回投与で体重1 kgあたり 0.4 g以下 では消化器への重篤な影響が確認されず、0.5 g/kgで重度症状が観察された。同研究では1日上限の実用目安として体重1 kgあたり 0.9 g が提案されている。〔出典⑤〕

Daniel et al.(2022年・システマティックレビュー)では、通常食でのアルロース摂取推定量は1日 500 mg未満 にとどまるが、砂糖代替として使用した場合には 1日10〜30 g に達しうると試算されている。吸収分はほぼ腎排泄されるという代謝経路も整理されている。〔出典⑥〕


子育て家庭にとっての意味

現時点で公表されている公的機関の情報と査読研究を総合すると、以下のように整理できる。

  1. 「一律に安全」とも「一律に問題あり」とも断言できない状態が続いている。 FDAはGRASとして扱い、EFSAは追加データを求めた状態が並行して存在する。
  2. 摂取量に依存する。 成人データからの外挿として、おやつの材料に数g程度の少量を使う範囲では、直ちに大きな懸念を示す公的情報は現時点では限られる。
  3. 乳幼児・持病のある子ども・腸の過敏な子どもについては、成人向けデータの直接適用が難しい。個別の判断にはかかりつけ医・管理栄養士への確認を推奨する。
  4. 子ども向けの直接データは限られている。 流通している安全性情報の多くは成人対象の研究に基づいており、小児を主対象とした大規模臨床試験は数が少ない点に留意が必要である。

引用可能データ一覧(媒体掲載向け)

項目数値・内容出典
FDAによるGRAS最終更新2020年3月(no-questionレター)①FDA GRAS Notice Inventory
FDAの表示エネルギー換算係数0.4 kcal/g②FDA 2020年10月ガイダンス
日本での表示エネルギー換算係数0 kcal/g④消費者庁 食品表示基準
EFSAの審査状況追加データ不足・安全性未確立③EFSA Scientific Opinion 2025
成人・消化器症状なし単回上限体重1 kgあたり0.4 g⑤Han et al. 2018
成人・1日上限の実用目安体重1 kgあたり0.9 g⑤Han et al. 2018
通常食での1日推定摂取量500 mg未満⑥Daniel et al. 2022
砂糖代替使用時の1日摂取量目安10〜30 g⑥Daniel et al. 2022

出典一覧

FDA, GRAS Notice Inventory — D-psicose(2012–2020年)
https://hfpappexternal.fda.gov/scripts/fdcc/index.cfm?set=GRASNotices&search=D-psicose
FDA, Guidance for Industry: The Declaration of Allulose and Calories from Allulose on Nutrition and Supplement Facts Labels(2020年10月)
FDA 公式ガイダンス文書
EFSA, Scientific Opinion — Safety of D-allulose as a novel food pursuant to Regulation (EU) 2015/2283(2025年6月5日公開)
https://www.efsa.europa.eu/en/efsajournal/pub/9468
消費者庁 食品表示基準(2024年度改定対応)
https://www.caa.go.jp/policies/policy/food_labeling/food_labeling_act/
Han Y et al. "Gastrointestinal Tolerance of D-Allulose in Healthy and Young Adults." Nutrients, 2018.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/30572580/
Daniel H et al. "Allulose in human diet: the knowns and the unknowns." British Journal of Nutrition, 2022.
https://pubmed.ncbi.nlm.nih.gov/34409930/

掲載・転載向け補足

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関連記事・プレスリリース全文: https://smart-treats.jp/press/allulose-safety-review-2026/