妊娠中のおやつが子どもの集中力を左右する? — 6万人調査が示す食事と発達の関係

Smart Treats 編集部 2026年3月29日 コラム・ワーママ向け
すべてのタイプにおすすめ ワーママ向け

妊娠中って、食べるものひとつで不安になりませんか。

「これ食べて大丈夫かな」「赤ちゃんに影響しないかな」 — SNSを開けば、あれもダメ、これもダメという情報があふれていて、おやつを選ぶだけでも気疲れしてしまう。

でも、まず伝えたいことがあります。完璧な食事をしなければいけない、ということはありません。

この記事では、2025年にコペンハーゲン大学が発表した6万人規模の大規模調査をもとに、妊娠中の食事パターンと子どもの発達の関係について、事実をていねいにお伝えします。そのうえで、「じゃあ何を食べたらいいの?」という具体的なヒントを、妊娠の時期別にご紹介します。

不安をあおる記事ではなく、知ることで安心できる記事を目指しました。肩の力を抜いて読んでいただけたらうれしいです。

もくじ
  1. 6万人調査で分かったこと
  2. なぜ妊娠中の食事パターンが影響するのか
  3. 妊娠中の間食で意識したい4つの栄養素
  4. 妊娠時期別おやつガイド
  5. 心配しすぎないでほしいこと
  6. よくある質問

1. 6万人調査で分かったこと

2025年、デンマークのコペンハーゲン大学の研究チームが、デンマークと米国の6万組以上の母子を対象にした大規模な調査結果を発表しました。この研究は、妊娠中の母親の食事パターンと、生まれた子どものADHD(注意欠如・多動症)リスクとの関連を分析したものです。

コペンハーゲン大学 2025年 研究概要 デンマークと米国の6万組以上の母子データを分析した結果、妊娠中に「西洋型食事パターン」(高脂質・高糖質・加工食品が多い食事)を多く摂っていた母親の子どもは、ADHDと診断されるリスクが統計的に有意に高いことが示されました。特に妊娠第1期(初期)から第2期(中期)が最も影響を受けやすい時期と報告されています。また、母体の血中から43の代謝物質が特定され、そのうち15がADHDリスクと直接的に関連していました。 University of Copenhagen (2025). "New research: Strong link between Western diet during pregnancy and ADHD." science.ku.dk

「西洋型食事パターン」とは?

この研究で言う「西洋型食事パターン」とは、以下のような食事の傾向を指します。

つまり、「特定の食品がダメ」ということではなく、食事全体のパターン(バランス)が重要だということです。菓子パンを1回食べたからといって、リスクが跳ね上がるわけではありません。

大切なポイント: 関連と因果は違います この研究は「統計的な関連」を示したものであり、「西洋型食事がADHDを引き起こす」と断定したものではありません。子どもの発達には遺伝、環境、養育など非常に多くの要因が関わっています。食事はそのうちのひとつであり、しかも自分でコントロールしやすい要素だからこそ、知っておく価値がある — そういう位置づけで読んでいただけると幸いです。

2. なぜ妊娠中の食事パターンが影響するのか

この研究が注目される理由のひとつは、食事パターンと子どもの発達を結ぶ「メカニズムの手がかり」を示したことにあります。

43の代謝物質、そのうち15がADHDリスクに関連

研究チームは、妊娠中の母親の血液を分析し、食事パターンに関連する43の代謝物質を特定しました。代謝物質とは、食べたものが体内で分解・変換される過程で生まれる物質のことです。

そのうち15の代謝物質が、子どものADHDリスクと統計的に直結していることが分かりました。これは、母親が食べたものが血液を通じて胎児の脳の発達に影響を及ぼしうる経路があることを示唆しています。

妊娠初期〜中期が特に大切な時期

胎児の脳は、妊娠初期から急速に発達し始めます。神経管が形成される妊娠4〜6週、そして大脳の基本構造がつくられる中期にかけては、母体からの栄養供給が脳の発達に大きく関わります。

この研究でも、妊娠第1期(〜13週)と第2期(14〜27週)が最も影響を受けやすい時期として報告されています。ただし、これは「後期なら何を食べても大丈夫」という意味ではなく、全期間を通じて栄養バランスを意識することが望ましいとされています。

妊娠に気づく前の食事について 妊娠初期が大切と聞くと、「気づく前の食生活が…」と不安になる方もいるかもしれません。でも、この研究が示しているのは「長期的な食事パターン」の影響です。妊娠に気づいたタイミングから意識を変えるだけでも、十分に意味があります。過去を責める必要はまったくありません。

3. 妊娠中の間食で意識したい4つの栄養素

3食の食事だけで必要な栄養素をすべてカバーするのは難しいもの。間食(おやつ)は、不足しがちな栄養素を補う大切な機会でもあります。妊娠中に特に意識したい栄養素を4つご紹介します。

栄養素 役割 おやつで摂れる食品例
葉酸 胎児の神経管形成に必須。妊娠初期に特に重要。DNA合成にも関わる。 枝豆、ほうれん草入りスムージー、いちご、アボカドディップ
母体と胎児への酸素供給。妊娠中は血液量が増えるため必要量が増加。 干しいも、レーズン、きなこヨーグルト、赤身の牛肉ジャーキー(無添加)
DHA(オメガ3脂肪酸) 胎児の脳・網膜の発達に関与。妊娠中期以降に特に重要。 くるみ、焼き鯖おにぎり、えごま油ドレッシングのサラダ
食物繊維 血糖値の急上昇を抑える。腸内環境の維持。妊娠中の便秘対策にも。 全粒粉クラッカー、オートミールバー、さつまいも、りんご
間食は「補食」と考えてみる おやつ=甘いもの、というイメージがあるかもしれません。でも妊娠中の間食は「補食」 — つまり、3食で足りない栄養を補うための食事のひとつです。甘いものが食べたいときは、栄養も一緒に摂れるおやつを選ぶと、罪悪感なく楽しめます。

4. 妊娠時期別おやつガイド

妊娠の時期によって、体の状態も必要な栄養素の優先度も変わります。それぞれの時期に合わせたおやつの選び方をご提案します。

妊娠初期(〜13週): 食べられるものを食べる時期

つわりに悩まされる方も多い時期。無理は禁物です。食べられるものを少量ずつ、こまめに食べることが大切です。この時期は葉酸の摂取が特に重要なので、食べられそうなものの中から葉酸を含む食品を選べるとベターです。

初期向け
🍓

冷凍いちご

葉酸が摂れる。冷たくさっぱりしていて、つわり中でも食べやすい。一粒ずつゆっくり。

初期向け
🍋

レモン水+全粒粉クラッカー

酸味で吐き気が和らぐことも。クラッカーの食物繊維で血糖値も安定。

初期向け
🫘

枝豆(塩ゆで)

葉酸・たんぱく質・鉄の三拍子。冷凍ストックしておけば、解凍するだけ。

妊娠中期(14〜27週): 栄養を積極的に補う時期

つわりが落ち着き、食欲が戻ってくる方が多い時期です。胎児の脳が急速に発達するため、DHA・鉄・たんぱく質を意識的に摂りたいタイミング。コペンハーゲン大学の研究でも、この時期の食事パターンの影響が大きいと報告されています。

中期向け
🥜

くるみ&アーモンド

くるみはDHA(α-リノレン酸)の植物性ソース。アーモンドはビタミンE・鉄も。小分けパックで持ち歩きにも。

中期向け
🧀

チーズ&ドライフルーツ

たんぱく質とカルシウムを同時に補給。レーズンで鉄もプラス。加熱済みチーズを選んで。

中期向け
🍠

焼きいも(冷やし)

冷やすとレジスタントスターチが増え、血糖値の上がり方がゆるやかに。食物繊維も豊富。鉄と葉酸も含む。

妊娠後期(28週〜): 量より質を意識する時期

お腹が大きくなり、一度にたくさん食べにくくなる方も。少量で栄養密度の高いおやつがおすすめです。出産に向けて鉄の貯蔵を増やすことも意識したい時期です。

後期向け
🥣

きなこヨーグルト

きなこは鉄・食物繊維・たんぱく質が豊富。ヨーグルトのカルシウムと合わせて一石二鳥。甘さが欲しければ少量のはちみつを。

後期向け
🐟

焼き鯖おにぎり(小さめ)

DHA・たんぱく質・鉄をコンパクトに。コンビニでも手に入りやすい。忙しいワーママの味方。

後期向け
🥑

アボカドトースト

葉酸・良質な脂質・食物繊維をまとめて摂取。全粒粉パンを使えば血糖値も安定。レモンをかけてさっぱりと。

全期間を通じて避けたい間食パターン

コペンハーゲン大学の研究結果を踏まえると、特に注意したいのは以下のような「食事パターン」です。あくまで「毎日の積み重ね」の話であり、たまに食べる分には問題ありません。

ポイントは「絶対に食べてはいけないもの」があるのではなく、全体のバランスを少しだけ意識することです。好きなおやつを楽しみつつ、その横にナッツやフルーツを1品加える。それだけでも食事パターンは変わります。

5. 心配しすぎないでほしいこと

ここまで読んで、不安になった方がいらっしゃるかもしれません。特に大切なことを3つお伝えさせてください。

すでに出産された方へ

この研究を読んで、「妊娠中にもっと気をつければよかった」と思われた方もいるかもしれません。でも、子どもの発達は食事だけで決まるものではありません。遺伝、生まれた後の環境、親子の関わり、友だちとの経験 — 無数の要素が複雑に絡み合っています。

お子さんと過ごす今日の時間、一緒に食べるおやつ、笑い合う瞬間。それらはすべて、お子さんの発達にとって大切な栄養です。過去の食事を悔やむより、今からできることに目を向けてください。

完璧を目指さなくていい

妊娠中の食事で大切なのは、「毎食完璧に栄養を摂ること」ではなく、「長い目で見た食事パターンを、できる範囲で整えること」です。つわりの時は食べられるものを食べればいい。仕事が忙しい日はコンビニのおにぎりとサラダでいい。「今日はいつもよりちょっと意識できたな」くらいで、十分です。

不安が大きいときは専門家に相談を

食事と発達の関係について不安が強い場合は、ひとりで抱え込まず、かかりつけの産婦人科医や管理栄養士に相談してください。妊婦健診の際に「食事のことが気になっている」と伝えるだけで、具体的なアドバイスがもらえます。

知ることは、武器になる この記事を読んでくださっている時点で、あなたはお子さんのことを真剣に考えている素敵な親です。知識があれば、不安に振り回されずに選択ができます。「知ったうえで、できる範囲で工夫する」。Smart Treatsは、そんなスタンスを応援しています。

6. よくある質問

Q. 妊娠中の食事で子どものADHDリスクが決まるのですか?

コペンハーゲン大学の2025年の研究では、妊娠中の西洋型食事パターン(高脂質・高糖質・加工食品が多い食事)とADHDリスクの統計的な関連が報告されています。

ただし、これは「関連がある」という統計的な知見であり、「この食事をしたら必ずADHDになる」という因果関係を証明したものではありません。食事は多くの要因のひとつであり、遺伝・環境・養育環境など複合的な要素が関わっています。

Q. すでに出産済みですが、妊娠中の食事を後悔しています。今からできることはありますか?

過去の食事を心配しすぎる必要はありません。子どもの発達には、生まれた後の環境や食事、親子の関わりも大きく影響します。

今からお子さんと一緒に栄養バランスの良いおやつを楽しむことは、発達をサポートする前向きな一歩になります。不安が大きい場合は、かかりつけの小児科医や管理栄養士にご相談ください。

Q. つわりがひどくて栄養バランスの良い食事が摂れません。どうしたらいいですか?

つわりの時期は食べられるものを食べることが最優先です。栄養バランスは体調が落ち着いてから整えれば大丈夫です。

どうしても心配な場合は、主治医に相談のうえ、葉酸サプリメントなどで最低限の栄養素を補う方法もあります。完璧な食事を目指す必要はなく、「できる範囲で少しずつ」が大切です。

本記事は妊娠中の食事に関する一般的な情報提供を目的としており、医学的な診断・治療のアドバイスを提供するものではありません。妊娠中の食事や栄養について個別の相談が必要な場合は、かかりつけの産婦人科医または管理栄養士にご相談ください。

本記事で引用している研究データは、コペンハーゲン大学が2025年に発表した公開情報に基づいています。

本記事の作成にあたり、AIを活用した情報整理を行っています。最終的な内容は編集部が確認・編集しています。